今回のテーマは「大切な人との時間、あとどのくらい?」
男性が主体的に介護に関わるためにはどうすればよいのかを一緒に考えていくために企画されたこのセミナー。
先週に引き続き2回目の開催となる今回は、体験型のワークショップと座学を織り交ぜ、より実践的な内容のセミナーとなりました。
講師は年間100人以上を看取る在宅診療のクリニック院長である中村明澄さんと、社会福祉士であり、クリニック相談員である堤円香さんです。
セミナーは「大切な人との時間、あとどれくらい?」を計算するワークから始まりました。
平均年齢から年齢を引き、実際に会う日数、会う時間、を計算すると、意外と短いことがわかります。
そして、亡くなる前に誰かの手を借りる必要が出てくるのは悪いことではなく、人間として当然のことだ、とお話がありました。
ワークでは、大人用のオムツと新生児用のオムツを実際に触って大きさを比較。
その後、お茶にとろみ粉を入れたものと、ゼリータイプの介護食を試食。その後、食事タイプの介護食を参加者がペアになって食べさせ合う体験をしました。
「けっこうしょっぱい」「どのタイミングで食べさせたらいいかが難しい」といった意見がありました。
後半は介護保険の基本について、費用も含めて詳しい説明が。
その説明をもとに、グループに分かれて「ケアプラン」を実際に作る作業を行いました。
次第にグループ内での話し合いが盛り上がり、意見を交わしながら自分の身になって考える有意義な時間になりました。
最後には、在宅介護だけでなく、施設の介護も良い選択であることが紹介されました。
施設と自宅どちらを選ぶかは「介護を受ける方の状態と人手とお金のバランスで決まる」、という説明がありました。
ここまでの説明を受けて、最後にどういう道を選ぶかは「正解がない」こと、「価値観で決まる」ことが強調されました。
介護とは、「大切な人との残りの時間を、大切に過ごすために、価値観を見つめ直し、様々な選択をしていくこと」であり、残される側が後悔しないように、自分のために関わり、やってよかったな、という介護にできれば、というお話がありました。
参加者からは
◇介護食の試食や参加者同士で食べさせ合う体験が新鮮だった
◇ケアプランの作成で費用の問題を実感できた
という感想をいただきました。
印象に残ったことはどんなことでしたか?
・ケアプランを実際に考えてみることで色々な気づきがあり、知らない事に気づかされました。
・今後の母の接し方、母目線で少しでも見られそうです
・介護の実際の場を知ることが出来たことがよかった。
・価値観の共有という言葉にハッとさせられました。介護以外の場面でも重要ですね
・介護食の試食、さらには参加者で食べさせ合う体験は新鮮でした
介護のイメージは変わりましたか?
・解らなかったこと(特に訪問診療)が、体験や説明で理解できた。
・よりイメージがわきました
・楽しい介護(毎日両者が笑顔でいられるという選択)
・重労働であることに違いはないがうまくサボる事も大切だということ。持続性が重要。
・介護食は人により満足がいかない事がある。いつかは介護を受けるとすると、どう生きたいか等を子や兄弟などに伝えておく。